バセドウ病や橋本病の方に、
眼球突出などの眼症もでることがあります。
甲状腺眼症の症状と治療
甲状腺は首の前部にあり甲状腺ホルモンを生成している器官です。甲状腺に対する免疫異常から自己抗体が産生され、甲状腺ホルモンが過剰となるのが甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、ホルモンが低下するのが橋本病です。比較的若い世代の女性に多い疾患ですが、これらの病気に伴って以下の症状があらわれるのが甲状腺眼症です。
- 目が飛び出す(眼球突出)
- 目が見開く(眼瞼後退)
- 瞼が腫れる(眼瞼腫脹)
初期の症状はまぶたの腫れが多く、アレルギーと診断され治療を受けていたが改善せず、その後に甲状腺眼症と診断されることもあります。また、多くは動悸や体重減少など体の症状と同時期に発症しますが、場合によっては目の症状が先行しバセドウ病の診断に至る例や、これ以外にも甲状腺機能は正常で内科治療の必要はなくても、甲状腺眼症のみを発症する例もあります。
物が二重に見えたり(複視)、視力が低下する例(視神経症)などの重症例は入院治療などが必要になりますが、軽症の眼瞼腫脹や眼瞼後退の例は、外来処置や点眼薬で治療を行うことができます。内科治療によって甲状腺機能が正常化しても目の症状は残ることがあるため、甲状腺眼症を疑われた場合は早めに眼科での治療を検討する必要があります。