「銃 病原菌 鉄」からみるコロナ後の世界
ジャレド ダイアモンドの「銃 病原菌 鉄」を読んでいます。
世界史の中で、歴史的に優位だった民族と、不利であり支配された民族の違いは何だったのか。
人類の食料生産、家畜飼育の始まりと周辺地域への広がりかた。
家畜飼育の結果、動物からもたらされた病原菌が、
人の移動と共に未開の地に蔓延し、免疫を持たない民族に甚大な被害をもたらした事実は、
中国発のウィルスが世界に蔓延し、
欧米で猛威をふるう様に実に酷似しています。
農耕発祥地として初めに食料生産が始まったメソポタミア地方から、
緯度が近く気候が似たユーラシア大陸の東西方向には食料生産が伝播しやすかった。
各地に広がった農耕もアフリカ大陸やアメリカ大陸など、
南北方向に長い地域にはには伝わりずらく、
安定した食料生産から人口増加と安定した社会が築かれた為、
高度な文明は東西に長いユーラシア大陸で発展したというものでした。
現在も人の移動は東西方向で盛んであり、
nextstrainというサイトに表示されているコロナウィルスのゲノム情報では、
ウィルスが中国からヨーロッパ、さらにアメリカ大陸にと、
変異を繰り返しながら広がる様子が示されています。
過去の病原菌と同じように、
過去とは比較できない程のスピードで、
ウィルスが人の移動と共に東西方向に伝播している事に驚きます。